肩が痛くて腕が上がらないという症状をお持ちの方がいます。
それは五十肩・四十肩と呼ばれる症状かもしれません。
当院のような鍼灸治療の現場ではよく遭遇し、普段でもよく聞く言葉ですが、実際にどんなものなのかご存知の方は少ないのではないでしょうか。
ここでは五十肩とはどんなものなのか、また、治療や予防法についてご説明していきます。
そもそも五十肩ってどんなもの?どんな症状が出るの?
五十肩・四十肩は俗称で、正式には「肩関節周囲炎」という病名の関節痛の一種です。
肩の関節は人体のなかでいちばんいろいろな方向の動かすことができ、そのぶん複雑な構造をしています。
肩甲骨、上腕骨、鎖骨の3つの骨で構成されており、その周りをたくさんの筋肉や靭帯が補強しています。
この肩関節の周囲の組織が加齢などを原因として炎症を起こし、動かせる範囲に制限がでる症状を五十肩といいます。
40歳から60くらいの年代に好発することからその名がついています。
主な症状は肩の痛みと可動域制限(動かせる範囲が狭くなること)です。
特に着替えや洗髪、つり革を持つなど腕を水平以上に上げようとするときに痛みが出ます。
症状が強い場合、じっとしていても痛みがあり、夜に眠れないことも。
どうやって治るの?五十肩がたどる3段階の経過
五十肩は発症してから回復するまでに以下の3段階の経過をたどるのが一般的で、治癒までに半年から1年、またはそれ以上かかることもあります。
・炎症期(急性期)
発症してからしばらくの最も痛みが強い時期です。
肩や腕を動かしたときだけでなく、動かさなくても痛かったり、腕にしびれを伴うこともあります。
・拘縮期(慢性期)
強い痛みは治まってきますが、関節が硬くなり動かそうとすると痛みがある時期です。
この時期がいちばん長く、半年以上かかることも。
・回復期
だんだん肩を動かせる範囲が広くなって、動かしたときの痛みも減っていく時期です。
最終的には症状が無くなって自然に治るのが五十肩の特徴です。
このように3つの段階を経て徐々に回復していく五十肩。
自然に治るといっても放っておくとかなり時間がかかる症状ですが、3つの時期に合わせて適切な処置を施すことで早期回復が見込めます。
放っておくと怖い五十肩。違う病気の可能性も。
肩関節に痛みを起こす症状は五十肩の他にもあり、腱板断裂、石灰沈着性腱板炎、変形性肩関節症、頚椎疾患などとの鑑別が重要です。
また、内臓疾患や腫瘍性疾患などの可能性もあり、注意が必要です。
やはり五十肩だから自然に治ると油断せずに、早期に医療機関の受診をおすすめします。
五十肩の治療、予防に鍼灸治療のすすめ
放っておいても1年ほどで自然に治る五十肩。
とはいえ痛みのある間はつらく不便なものです。
そもそも肩の関節は人体で最も大きく動かせる関節でありながら、動かしていない限りは血流の良くない部位といわれています。
じっと治癒を待っても時間がかかるのはそのためです。
やはり経過に合わせて適切な治療を受けて早期回復を目指すのが良いでしょう。
なかでも鍼灸治療は患部の血流改善、鎮痛作用が五十肩に有効とされています。
五十肩・四十肩でお悩みの方は大阪市都島区にありますみどりの鍼灸治療院にご相談ください。